夏の不快感を「だいじょうぶ」に。八王子の職人と挑む、開発の歩み
夏の不快感を「だいじょうぶ」に。八王子の職人と挑む、理想のシルクインナー開発の歩み。
だいじょうぶ社では天然シルクがもたらす「心地よい暮らし」をそっとお届けしています。
今、夏を「だいじょうぶ」にするための新しいインナーパンツを開発しています。
蒸し暑い午後のデスクワーク。ずっと椅子に座っていても、太ももの裏やお尻まわりがムレにくく、立ち上がった時も生地がさらりと離れてくれる。
肌にくっつかず、分厚すぎず、薄くても破れにくい。そんな理想のシルクインナーを目指しています。
その要となる「夏用シルク生地」が形になってきましたので、私たちのこだわりを少しだけお話しさせてください。
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夏の「だいじょうぶ」を支える、3つの涼しさ
私たちが理想とする夏を快適に過ごす生地には、3つの要素があると考えています。
夏の不快感を解消するために欠かせない要素です。
1. 触れた瞬間のひんやり感(接触冷感)
一般的に「接触冷感」という言葉は、一度は耳にされたことがあるのではないでしょうか。繊維に特殊な加工を施したものが主流で、寝具メーカーや大手アパレルメーカーでは、大量の素材に均一な加工を施すためこの加工が一般的です。天然成分でキシリトールがありますね。そのキシリトールをつかった冷感加工というものもあります。肌に触れた部分がひんやりと感じたり、熱がこもりにくかったりするのが特徴で、サーモグラフィーなどを用いた比較広告でもよく目にしますね。これらは加工方法次第で化学繊維・天然繊維を問わず加工が可能です。
2. 肌にまとわりつかない、接触面の少なさ
〜「面」ではなく「点」で触れる、職人の知恵〜
この考え方は古来より日本に伝わっています。日本の夏は湿度が高く、どうしても生地が肌にペタッと張り付いてしまいがちです。生地が密着すると、肌との間の空間が失われ、熱がこもってしまいます。それが肌へのストレスとなり、かゆみを引き起こし、爪でかいてしまうことでさらに肌を傷つけるという悪循環を招くこともあります。だからこそ、肌への接触面積を減らす工夫が必要でした。古くから「縮(ちぢみ)」と言われる技法などで素材に立体感を作り出し、肌と生地の間の空間を保つ知恵が受け継がれています。
3. 素材自体に張りを持たせた肌触り
素材そのものに張りを持たせ、肌にくっつきにくくする方法もあります。天然素材でイメージしやすいのは「麻」ですね。麻は適度な硬さがあり、コットンに麻(リネン)を混ぜた素材は夏の定番です。麻を加えることで生地がシャリシャリした感じになります。つまりこれによって肌離れが良くなります。この時期は麻100%の質感も、シャリ感があって気持ちいいものです。
世の中には特殊な加工を施した合成繊維もたくさんありますが、私たちはあくまで「天然素材であるシルク」の力だけで、涼しさを実現したいと考えました。
八王子の職人と挑む、シルクにもたせる「立体感」
今回、生地を織っていただいているのは、東京都八王子市にある大原織物さん(@texohara_hachiouji)です。八王子の住宅街にひっそり佇む、歴史ある織物工場さんです。所狭しと並んだ機械が休むことなく動き続ける活気ある現場で、社長さんと何度も協議を重ねました。
大原織物さんで製造している生地の一部。
シルク特有の「肌にしっとりと馴染むあの感じ」を残しつつ、どうすれば夏に最適な「さらさら感」を出せるのか。その答えは、糸の「ひねり」にありました。
職人技が光る「ひねり」の魔法
- 縦糸と横糸の組み合わせ:縦糸には「家蚕(かさん)シルク」を、横糸には「野生のワイルドシルク」を使用しています。
- 糸をひねる職人の技:横糸のワイルドシルクに「強撚(きょうねん)」という、何度も何度もねじりを加える加工を施しました。通常のシルク糸では考えられないほど強く撚(よ)る作業を、幾度も試作を繰り返して完成させました。
- 立体感の誕生:ねじられた糸が元に戻ろうとする力を利用することで、生地の表面に細かな凹凸(立体感)が生まれます。まるでプリーツのような立体感に加え、大原織物さんの知識と経験により、織りの組織自体も立体感が出やすい構造に工夫されています。
試作3回目。1つの試作の中で5つの違いをためしてもらったが、立体感が出ていない…
この凹凸があるおかげで、肌に触れる面積が少なくなり、汗をかいてもベタつかず、風が通り抜けるような涼しさが持続するのです。
なぜ、夏こそシルクなのか
かつてレーヨンが「人絹(じんけん)」と呼ばれたように、化学繊維は常にシルクを目指して進化してきました。しかし、シルクに含まれるアミノ酸が、人間の肌のタンパク質と酷似しているという事実は、人工的には真似できません。
シルクを構成するアミノ酸は、人の肌に近い成分。肌への親和性が高いからこそ、薄着になる夏こそ、素肌に直接纏(まと)っていただきたいのです。
試作で辿り着いた理想の質感
最初の試作では全く表情のない生地になってしまいましたが、4回目の試作でようやく、この「細やかな立体感」と「シルク特有のぬめり感」が同居する理想の生地に近づきました。
おわりに
この新しい生地が、皆さまの夏をさらに快適なものにできるよう、大切に形にしていきたいと思います。
この素材を使って、具体的にどのような形に仕上げていくのか……それはまた、次のまでに報告できるようにがんばります。
| 会社名 | 合同会社シルク機能総研 |
|---|---|
| サイト名 | だいじょうぶ社 |
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